2010年04月21日

高木類について


高木類 (植栽時 H=3.0m以上を目安とします)

庭園や街並みの景観では主木、シンボルツリー、またはそれに準ずる樹木で、高木類について
植栽による空間構成では景観の骨格を形成します。
また同時に高木類は建物の様式やデザインに合わせた庭のデザインイメージも
決定する役割も果たすなど影響力を持っています。

伝統的な和風の庭や門まわりでは、アカマツやクロマツ、マキなど針葉樹の幹を
屈曲させて樹形を形づくったのですが、同じ針葉樹ではあってもドイツトウヒやモミ、
コニファーなどはイングリッシュガーデンのイメージを活かす高木として利用されます。
同様に、和風の庭でも近代生み出された雑木の庭では、コナラやエゴ、ヤマボウシ
などの雑木林を構成する落葉広葉樹が使われ、明るく軽やかな、自然風の印象を生
み出すなど、高木の樹種の選定が庭のイメージを決める上できわめて重要な役割を
果たしていることがわかります。 また雑木の庭は、庭の様式という固定的なイメージ
と比較して、もう少しゆるやかで幅広い地域性や自然風というイメージを印象づけるこ
とでも知られています。 地域性では気候条件によって分布する自然植生は、地域の歴史的風土景観をつくっていることから生じるイメージで、針葉樹と落葉広葉樹の組合せは冷涼な高原や寒冷な北国のイメージを示すものに対し、常緑広葉樹を中心とした植栽は温暖な南国のイメージを感じます。 これらは寒冷な北海道や温暖な九州・沖縄という地域というよりも、そのどちらの植栽も可能な中間地域において意味を持ちます。

エクステリアの植栽では、明確な庭園の様式性に合致する植栽よりも、ゆるやかな地域性や自然風、モダン和風等の比較的軽いイメージで植栽を選定することも多いですが、いずれも高木類が庭園のイメージを決定することに変わりありません。
このように一定のイメージを表現する役割以外にも、高木類は花を楽しむ、実を楽しむ、緑陰をつくる、目隠しに利用するなど様々な役割があり、選定にあたっては、これらを複合的に考えた上で樹種を決めることが必要になります。


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